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初心者向けのHello Worldスマートコントラクト

SolidityHardhatalchemyスマートコントラクトデプロイ
初級
elanh
2021年3月31日
19 分の読書 minute read

このチュートリアルは、ブロックチェーンの開発が初めてで、どこから始めたらよいのか分からない場合や、 スマートコントラクトをデプロイしてやり取りする方法を理解したいだけの場合に、最適なガイドとなります。 このチュートリアルでは、仮想ウォレット(MetaMask(opens in a new tab))、Solidity(opens in a new tab)Hardhat(opens in a new tab)Alchemy(opens in a new tab)を使用して、Goerliテストネットワーク上で簡単なスマートコントラクトを作成してデプロイする方法を順を追って説明します(現時点でしっかりと理解できていなくても、心配はご無用です。後ほど説明します)。

警告

🚧 非推奨の通知

このガイドでは、Goerliテストネットワークをスマートコントラクトの作成とデプロイに使用しています。 ただし、イーサリアム・ファウンデーションにより、Goerliが間もなく廃止予定(opens in a new tab)であることが発表されました。

このチュートリアルでは、Sepolia(opens in a new tab)およびSepoliaフォーセット(opens in a new tab)の利用を推奨します。

このチュートリアルのパート2(opens in a new tab)では、ここでデプロイしたスマートコントラクトとやり取りする方法について説明します。パート3(opens in a new tab)では、そのスマートコントラクトをEtherscanで公開する方法について説明します。

質問がある場合は、いつでもAlchemy Discord(opens in a new tab)でお問い合わせください。

ステップ1: イーサリアムネットワークに接続する

イーサリアムチェーンにリクエストを行う方法はたくさんあります。 簡略化のため、ここではAlchemyの無料アカウントを使用します。これは独自のノードを実行することなく、イーサリアムチェーンとの通信を可能にするブロックチェーンのデベロッパープラットフォームとAPIです。 このプラットフォームには、スマートコントラクトのデプロイメントにおいて内部で何が起こっているのかを把握するためにこのチュートリアルで利用する、監視と分析のためのデベロッパーツールも備わっています。 Alchemyのアカウントをお持ちでない場合は、こちら(opens in a new tab)から無料で登録できます。

ステップ2: アプリ(およびAPI キー)を作成する

Alchemyのアカウントを作成すると、アプリを作成することでAPIキーを生成できるようになります。 これにより、Goerliテストネットワークへのリクエストが可能になります。 テストネットに詳しくない場合は、こちらのページをご覧ください。

  1. ナビゲーションバーの「Apps」にマウスを合わせて、「Create App」をクリックし、Alchemyダッシュボードの「Create App」ページに移動してください。

Hello WorldのCreate App

  1. アプリに「Hello World」という名前を付け、簡単な説明を記述し、環境に「Staging」を選択(アプリのブックキーピングに使用)し、ネットワークに「Goerli」を選択します。

Hello WorldのCreate App画面

  1. 「Create app」をクリックして完了です。 アプリが下の表に表示されます。

ステップ3: イーサリアムアカウント(アドレス)を作成する

トランザクションの送受信には、イーサリアムアカウントが必要です。 このチュートリアルでは、イーサリアムアカウントアドレスを管理するためにブラウザの仮想ウォレットであるMetamaskを使用します。 トランザクションの詳細。

Metamaskのアカウントはこちら(opens in a new tab)から無料でダウンロード、作成できます。 アカウントを作成後、またはすでにアカウントをお持ちの場合は(実際に支払いが発生しないように)右上の「Goerli Test Network」に切り替えてください。

MetaMask Ropstenの例

ステップ4: フォーセットからイーサ(ETH)を追加する

テストネットワークにスマートコントラクトをデプロイするには、偽のETHが必要になります。 ETHを取得するには、Goerliフォーセット(opens in a new tab)にアクセスし、Alchemyアカウントでログインしてウォレットアドレスを入力し、「Send Me ETH」をクリックしてください。 ネットワークトラフィックのために偽のETHを受け取るのに時間がかかる場合があります。 (この記事の執筆時点では、30分ほどかかりました。) MetaMaskアカウントにETHが表示されるはずです!

ステップ5: 残高を確認する

残高を再確認するために、eth_getBalance(opens in a new tab)Alchemyのコンポーザーツール(opens in a new tab)を使用してリクエストしてみましょう。 このリクエストをすると、ウォレット内のETHの額が返されます。 MetaMaskアカウントアドレスを入力して「Send Request」をクリックすると、次のようなレスポンスが表示されます。

1{ "jsonrpc": "2.0", "id": 0, "result": "0x2B5E3AF16B1880000" }
コピー

注: この結果の単位は、ETHではなくweiです。 weiはETHの最小単位として使われています。 weiからETHへ変換すると、1 eth = 1018 weiになります。 つまり、0x2B5E3AF16B1880000を10進数に変換すると、5*10¹⁸となり、5 ETHに相当します。

ご安心ください。 偽のお金はすべてそこにあります

ステップ6: プロジェクトを初期化する

まず、プロジェクトのフォルダを作成する必要があります。 コマンドラインに移動し、次のように入力します。

1mkdir hello-world
2cd hello-world

プロジェクトフォルダ内に入ったら、npm initを使用してプロジェクトを初期化します。 まだnpmがインストールされていない場合は、こちらの手順(opens in a new tab)に従ってください(Node.jsも必要となりますので、こちらもダウンロードしてください。)

1npm init

インストール時の質問についてはどのように回答してもかまいませんが、参考までに以前行った回答を以下に示します。

1package name: (hello-world)
2version: (1.0.0)
3description: hello world smart contract
4entry point: (index.js)
5test command:
6git repository:
7keywords:
8author:
9license: (ISC)
10About to write to /Users/.../.../.../hello-world/package.json:
11
12{
13 "name": "hello-world",
14 "version": "1.0.0",
15 "description": "hello world smart contract",
16 "main": "index.js",
17 "scripts": {
18 "test": "echo \\"Error: no test specified\\" && exit 1"
19 },
20 "author": "",
21 "license": "ISC"
22}
すべて表示

package.jsonを承認すれば完了です。

ステップ7: Hardhat(opens in a new tab)をダウンロードする

Hardhatは、イーサリアムのソフトウェアをコンパイル、デプロイ、テスト、デバッグするための開発環境です。 デベロッパーがライブチェーンにデプロイする前に、スマートコントラクトや分散型アプリケーション(Dapp)をローカルに構築する際に役立ちます。

先ほど作成したhello-worldプロジェクト内で、以下を実行します。

1npm install --save-dev hardhat

インストール手順(opens in a new tab)の詳細については、こちらのページをご覧ください。

ステップ8: Hardhatプロジェクトを作成する

プロジェクトフォルダ内で以下を実行します。

1npx hardhat

ウェルカムメッセージと、次に何をするのかを選択できるオプションが表示されます。 「Create an empty hardhat.config.js」を選択します。

1888 888 888 888 888
2888 888 888 888 888
3888 888 888 888 888
48888888888 8888b. 888d888 .d88888 88888b. 8888b. 888888
5888 888 "88b 888P" d88" 888 888 "88b "88b 888
6888 888 .d888888 888 888 888 888 888 .d888888 888
7888 888 888 888 888 Y88b 888 888 888 888 888 Y88b.
8888 888 "Y888888 888 "Y88888 888 888 "Y888888 "Y888
9
10👷 Welcome to Hardhat v2.0.11 👷‍?
11
12What do you want to do? …
13Create a sample project
14❯ Create an empty hardhat.config.js
15Quit
すべて表示

hardhat.config.jsファイルが生成されます。このファイルでプロジェクトのすべての設定を行います(ステップ13で行います)。

ステップ9: プロジェクトフォルダを追加する

プロジェクトを整理するために、2つの新しいフォルダを作成します。 コマンドラインでプロジェクトのルートディレクトリに移動し、次のように入力します。

1mkdir contracts
2mkdir scripts
  • contracts/は、Hello Worldスマートコントラクトのコードファイルを格納する場所です。
  • scripts/は、コントラクトをデプロイして対話するスクリプトを保持する場所です。

ステップ10: コントラクトを作成する

一体いつになったらコードを書くのだろうと疑問をお持ちではないでしょうか 。 このステップ10でコードを書いていきましょう。

お気に入りのエディタでhello-worldプロジェクトを開きます(通常はVScode(opens in a new tab)を使用しています)。 スマートコントラクトは、Solidityと呼ばれる言語で記述されています。HelloWorld.solスマートコントラクトの作成にこの言語を使用します。

  1. 「contracts」フォルダに移動し、HelloWorld.solという名前の新規ファイルを作成します。
  2. 以下は、このチュートリアルで使用するイーサリアム・ファウンデーションのHello Worldスマートコントラクトのサンプルです。 以下の内容をコピーして、HelloWorld.solファイルに貼り付けます。コメントを読んで、このコントラクトが何を行うのかを理解してください。
1// Specifies the version of Solidity, using semantic versioning.
2// Learn more: https://solidity.readthedocs.io/en/v0.5.10/layout-of-source-files.html#pragma
3pragma solidity ^0.7.0;
4
5// Defines a contract named `HelloWorld`.
6// A contract is a collection of functions and data (its state). Once deployed, a contract resides at a specific address on the Ethereum blockchain. Learn more: https://solidity.readthedocs.io/en/v0.5.10/structure-of-a-contract.html
7contract HelloWorld {
8
9 // Declares a state variable `message` of type `string`.
10 // State variables are variables whose values are permanently stored in contract storage. The keyword `public` makes variables accessible from outside a contract and creates a function that other contracts or clients can call to access the value.
11 string public message;
12
13 // Similar to many class-based object-oriented languages, a constructor is a special function that is only executed upon contract creation.
14 // Constructors are used to initialize the contract's data. Learn more:https://solidity.readthedocs.io/en/v0.5.10/contracts.html#constructors
15 constructor(string memory initMessage) {
16
17 // Accepts a string argument `initMessage` and sets the value into the contract's `message` storage variable).
18 message = initMessage;
19 }
20
21 // A public function that accepts a string argument and updates the `message` storage variable.
22 function update(string memory newMessage) public {
23 message = newMessage;
24 }
25}
すべて表示
コピー

これは、作成時にメッセージを保存し、update関数を呼び出すことで更新できる非常にシンプルなスマートコントラクトです。

ステップ11: MetaMaskとAlchemyをプロジェクトに接続する

ここまでで、MetaMaskウォレットとAlchemyアカウントを作成し、スマートコントラクトも作成しました。次はこの3つを接続しましょう。

仮想ウォレットから送信されるすべてのトランザクションには、固有の秘密鍵を使用した署名が必要です。 この権限をプログラムに提供するため、秘密鍵(およびAlchemy APIキー)を環境ファイルに安全に保存できます。

トランザクションの送信の詳細については、web3を使用したトランザクションの送信に関するこちらのチュートリアルをご覧ください。

まず、プロジェクトディレクトリにdotenvパッケージをインストールします。

1npm install dotenv --save

次に、 .envファイルをプロジェクトのルートディレクトリに作成し、そのファイルにMetamaskの秘密鍵とHTTP Alchemy APIのURLを追加します。

Alchemy APIキーの取得

Alchemy APIのURLをコピーします。

.envファイルは次のようになります。

1API_URL = "https://eth-goerli.alchemyapi.io/v2/your-api-key"
2PRIVATE_KEY = "your-metamask-private-key"

これらの変数を実際にコードに接続するために、ステップ13でこれらの変数をhardhat.config.jsファイル内で参照します。

.envファイルをコミットしないでください! .envファイルを誰かと共有したり公開したりしないようにしてください。秘密が漏洩する可能性があります。 バージョン管理ツールを使用している場合は、.envgitignore(opens in a new tab)ファイルに追加します。

ステップ12: Ethers.jsをインストールする

Ethers.jsは、よりユーザーフレンドリーなメソッドで標準のJSON-RPCメソッドをラップすることにより、イーサリアムとの対話やリクエストを簡単にするライブラリです。

Hardhatは、追加のツールと拡張機能のためのプラグイン(opens in a new tab)の統合を非常に簡単にしてくれます。 コントラクトのデプロイメントにEthersプラグイン(opens in a new tab)を利用します(Ethers.js(opens in a new tab)には、複数の非常にクリーンなコントラクトのデプロイメント方法があります)。

プロジェクトのホームディレクトリで以下を実行します。

1npm install --save-dev @nomiclabs/hardhat-ethers "ethers@^5.0.0"

次のステップのhardhat.config.jsでもEthers(.js)が必要になります。

ステップ13: hardhat.config.jsを更新する

ここまでで、いくつかの依存関係とプラグインを追加しました。次に、hardhat.config.jsを更新して、プロジェクトがそれらすべてについて認識できるようにする必要があります。

hardhat.config.jsを以下のように更新します。

1require('dotenv').config();
2
3require("@nomiclabs/hardhat-ethers");
4const { API_URL, PRIVATE_KEY } = process.env;
5
6/**
7* @type import('hardhat/config').HardhatUserConfig
8*/
9module.exports = {
10 solidity: "0.7.3",
11 defaultNetwork: "goerli",
12 networks: {
13 hardhat: {},
14 goerli: {
15 url: API_URL,
16 accounts: [`0x${PRIVATE_KEY}`]
17 }
18 },
19}
すべて表示

ステップ14: コントラクトをコンパイルする

ここまででしっかりと動作していることを確認するため、コントラクトをコンパイルしてみましょう。 compileタスクは、組み込みのHardhatタスクの1つです。

コマンドラインで以下を実行します。

1npx hardhat compile

SPDX license identifier not provided in source fileという警告が表示される場合がありますが、心配する必要はありません。警告が表示されないのがベストですが、 表示された場合は、いつでもAlchemy discord(opens in a new tab)でメッセージを送信できます。

ステップ15: デプロイスクリプトを書く

コントラクトの作成と設定ファイルの作成が完了したら、いよいよコントラクトのデプロイのためのスクリプトを作成します。

scripts/フォルダに移動して、deploy.jsという名前のファイルを新規に作成し、以下の内容を追加します。

1async function main() {
2 const HelloWorld = await ethers.getContractFactory("HelloWorld");
3
4 // Start deployment, returning a promise that resolves to a contract object
5 const hello_world = await HelloWorld.deploy("Hello World!");
6 console.log("Contract deployed to address:", hello_world.address);}
7
8main()
9 .then(() => process.exit(0))
10 .catch(error => {
11 console.error(error);
12 process.exit(1);
13 });
すべて表示

Hardhatがコードの各行で行っている驚くべき内容については、Hardhatのコントラクトチュートリアル(opens in a new tab)で説明されています。以下では、その説明を採用しています。

1const HelloWorld = await ethers.getContractFactory("HelloWorld");

ethers.jsのContractFactoryは新しいスマートコントラクトをデプロイするための抽象化であり、ここでのHelloWorldはhello worldコントラクトのインスタンスのためのファクトリです。 hardhat-ethersプラグインを使用する場合、ContractFactoryおよびContractインスタンスはデフォルトで最初の署名者に接続されます。

1const hello_world = await HelloWorld.deploy();

ContractFactorydeploy()を呼び出すとデプロイメントが開始され、Contractに解決すべきPromiseが返されます。 これは、スマートコントラクトの各関数に対するメソッドを持つオブジェクトです。

ステップ16: コントラクトをデプロイする

ようやく、スマートコントラクトをデプロイする準備が整いました。 コマンドラインに移動し、以下を実行します。

1npx hardhat run scripts/deploy.js --network goerli

次のような画面が表示されるはずです。

1Contract deployed to address: 0x6cd7d44516a20882cEa2DE9f205bF401c0d23570

Goerli etherscan(opens in a new tab)に移動し、コントラクトアドレスを検索すると、コントラクトが正常にデプロイされていることを確認できるはずです。 トランザクションは以下のようなものになります。

EtherscanのContract

FromアドレスはMetaMaskアカウントアドレスと一致する必要があります。Toアドレスには「Contract Creation」と表示されますが、トランザクションをクリックすると、Toフィールドにコントラクトアドレスが表示されます。

EtherscanのTransaction

おめでとうございます! イーサリアムチェーンにスマートコントラクトをデプロイできました 🎉

内部で何が起こっているのかを理解するために、Alchemyダッシュボード(opens in a new tab)のExplorerタブに移動してみましょう。 Alchemyのアプリが複数ある場合は、必ずアプリでフィルタリングし、「Hello World」を選択してください。 Hello WorldのExplorer

ここでは、.deploy()関数を呼び出した際に、Hardhat/Ethersが内部で行ったJSON-RPCの呼び出しを見ることができます。 ここで呼び出している2つの重要なJSON-RPCは、実際にGoerliチェーン上でコントラクトを書き込むリクエストのeth_sendRawTransaction(opens in a new tab)と、(トランザクションの際の典型的なパターンである)ハッシュを与えられているトランザクションに関する情報を読み取るリクエストのeth_getTransactionByHash(opens in a new tab)です。 トランザクションの送信の詳細については、こちらのチュートリアルのWeb3を使用したトランザクションの送信をご覧ください。

こちらのチュートリアルのパート1は以上となります。パート2では初期メッセージの更新によるスマートコントラクトとの実際のやり取り(opens in a new tab)を、パート3ではEtherscanへのスマートコントラクトの公開(opens in a new tab)を行い、やり取りする方法を学びます。

Alchemyの詳細については、 ウェブサイト(opens in a new tab)をご覧ください。 アップデートを見逃したくない場合は、 こちら(opens in a new tab)でニュースレターを購読してください。 Twitter(opens in a new tab)もあわせてフォローし、Discord(opens in a new tab)にもご参加ください。

最終編集者: @pettinarip(opens in a new tab), 2023年11月23日

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