レイヤー2
すべての人に開かれたイーサリアム
セキュリティや分散化を損なうことなく、イーサリアムをスケーリング

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レイヤー2でロックされた預かり資産(TVL) (USD)
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レイヤー2の平均のETH送金手数料 (USD)
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レイヤー2の預かり資産(TVL)変化 (30日間)
レイヤー2とは
レイヤー2 (L2) は、特定のイーサリアムのスケーリングソリューションの総称です。レイヤー2は、イーサリアムを拡張し、イーサリアムのセキュリティ保証がある別個のブロックチェーンです。
さて、L2についてもう少し掘り下げる前に、レイヤー1 (L1) について説明する必要があります。

レイヤー1とは
レイヤー1とは、ベースとなるブロックチェーンです。レイヤー1は、様々なレイヤー2のネットワークの基盤となるため、イーサリアムとビットコインは、どちらもレイヤー1のブロックチェーンと言えます。レイヤー2プロジェクトの例としては、イーサリアムの「ロールアップ」や、ビットコインの「ライトニングネットワーク」などがあります。これらのレイヤー2プロジェクトのユーザートランザクションすべて、最終的にはレイヤー1ブロックチェーンに戻り確定されます。
また、イーサリアムはレイヤー2のデータの可用性レイヤーとしても機能します。レイヤー2プロジェクトはトランザクションデータをイーサリアム上に書き込むため、データの可用性をイーサリアムに依存します。このデ ータは、レイヤー2の状態を取得したり、レイヤー2上のトランザクションに異議を唱えたりするために利用できます。
レイヤー1としてのイーサリアムは以下を含みます。
ネットワークを保護し、検証するノードオペレーターのネットワーク
ブロック生成者のネットワーク
ブロックチェーン自体とトランザクションデータ履歴
ネットワークの合意メカニズム
イーサリアムについてまだ分からないことがありますか? イーサリアムとは何かを学びましょう。

レイヤー2が必要な理由
ブロックチェーンが望ましい理由は、分散型、安全性、スケーラブルの3つです。ブロックチェーンのトリレンマ(opens in a new tab)とは、単純なブロックチェーンのアーキテクチャでは、3つのうち2つしか実現できない、というものです。安全で分散型のブロックチェーンが 必要な場合、スケーラビリティを犠牲にする必要があります。
イーサリアムは、1日あたり100万件以上のトランザクション(opens in a new tab)とこれらの各トランザクションに対する高い需要により、現在のネットワーク容量に達してしまっています。イーサリアムの人気と需要により、ガス代が大幅に上昇し、スケーリングソリューションのニーズも高まりました。そこで登場するのがレイヤー2ネットワークです。
スケーラビリティ
スケーラビリティの主な目標は、分散化やセキュリティを損なうことなく、トランザクションのスピード(ファイナリティの迅速化) とトランザクションのスループット(1秒あたりのトランザクション量の増加) を向上させることです。
イーサリアムコミュニティは、スケーリング問題により、分散化やセキュリティを犠牲にしないという揺るぎないスタンスを取っています。シャーディングまで、イーサリアムメインネット (レイヤー1) は、1秒間におよそ15件のトランザクション(opens in a new tab)しか処理できません。イーサリアムの需要が高い場合は、ネットワークが混雑し、トランザクションフィーが高くなり、その費用を負担できないユーザーを締め出してしまうことになります。そこで、現在のイーサリアムをスケーリングさせるために登場するのがレイヤー2になります。
イーサリアムのビジョンの詳細レイヤー2のメリット
安いトランザクションフィー
複数のオフチェーントランザクションを1つのレイヤー1のトランザクションにまとめることで、トランザクションフィーを大幅に削減し、すべての人がイーサリアムにアクセスできるようになります。
セキュリティの維持
レイヤー2ブロックチェーンは、イーサリアムメインネットでトランザクションを確定するため、ユーザーはイーサリアムネットワークのセキュリティの恩恵を受けることができます。
ユースケースの拡大
1秒あたりのトランザクション量の増 加、トランザクションフィーの減額、新技術の導入により、ユーザー体験が向上した新しいアプリケーションへと拡大するでしょう。
レイヤー2の仕組み
前述のとおり、レイヤー2とは、イーサリアムのスケーリング・ソリューションの総称で、イーサリアムレイヤー1のトランザクションで処理をせず、レイヤー1の強固な分散型セキュリティを活用するものです。レイヤー2とは、イーサリアムを拡張した別のブロックチェーンのことです。では、レイヤー2の仕組みについて説明します。
レイヤー2のブロックチェーンは、セキュリティと分散化を確保するため、イーサリアムと定期的に (トランザクションを一束にまとめて送信することで) 通信を行います。これらすべてで、レイヤー1のプロトコル (イーサリアム) に変更を加える必要はなく、レイヤー1がセキュリティ、データの可用性、および分散化を処理し、レイヤー2がスケーリングを処理します。
ロールアップ
ロールアップは現在、イーサリアムのスケーリングにおけるレイヤー2の優先ソリューションです。ロールアップを使用することで、ユーザーはレイヤー1と比較して、ガス料金を最大100倍(opens in a new tab)削減することができます。
ロールアップは、何百ものトラン ザクションをレイヤー1上で1つのトランザクションに束ねる (または「ロールアップ」)します。これにより、レイヤー1トランザクションフィーがロールアップのすべてのユーザーに分散され、各ユーザーにとって割安となります。ロールアップ・トランザクションの実行はレイヤー1外で行われますが、トランザクションデータはレイヤー1に書き込まれます。トランザクションデータをレイヤー1に書き込むことで、ロールアップはイーサリアムのセキュリティを継承します。ロールアップにはオプティミスティック・アプローチとゼロ知識アプローチの2つがあり、両者は主にこのトランザクションデータをL1へ書き込む方法が異なります。


オプティミスティック・ロールアップ
オプティミスティック・ロールアップは、トランザクションが有効であると仮定されるという意味で 「オプティミスティック(楽観的)」ですが、必要であれば異議を申し立てることができます。無効なトランザクションが疑われる場合は、不正が行われたかどうかを確認するために、不正証明が実行されます。

ゼロ知識ロールアップ
ゼロ知識ロールアップでは、トランザクションをオフチェーンで計算し、次に圧縮データを有効性証明としてイーサリアムのメインネットに提供することで有効性の証明を行っています。
自分自身で調査が必要: レイヤー2のリスク
レイヤー2チェーンはイーサリアムのセキュリティを継承しているため、理想的にはレイヤー1イーサリアムと同等の安全性を確保できことになります。しかし、プロジェクトの多くはまだ若く、やや実験的なものです。長年の研究開発を経て、イーサリアムをスケールアップさせるレイヤー2テクノロジーの多くが2021年にローンチされました。多くのプロジェクトは、ネットワークの分散化に取り組む中、まだ信頼の前提を有しています。このようなリスクを許容できるかどうかを判断するために、必ずご自身で調査してください。
レイヤー2の技術、リスク、信頼の前提については、各プロジェクトの包括的なリスク評価フレームワークを提供するL2BEATを確認することをお勧めします。
レイヤー2を使う
レイヤー2がなぜ必要か、またレイヤー2の仕組みを理解したところで、さっそく使ってみましょう。
注: ブリッジしてレイヤー2を使用する場合、イーサリアムメインネットと同様、ご自身がEOAアカウント(単一の秘密鍵のみがアカウントを制御するアカウント)のアドレス管理をすることに留意することが重要です。ただし、Safe(opens in a new tab)やArgent(opens in a new tab)などのコントラクトアカウントを使用している場合は、コントラクトアカウントをレイヤー2上のアドレスに再デプロイするまで、レイヤー2上でこのアドレスを制御することはできません。ブリッジ、またはコントラクトアカウントへ送金を行う際、コントラクトアカウントのアドレスを制御していない場合は、資金が失われるおそれがあります。
汎用レイヤー2
汎用レイヤー2は、イーサリアムと同じように動作しますが、より安価です。イーサリアムの レイヤー1でできることは、すべてレイヤー2でもできます。多くの分散型アプリ(Dapp)はすでにこれらのネットワークに移行し始めています。また、メインネットにデプロイせずに、レイヤー2に直接デプロイしているアプリもあります。

Arbitrum One
Arbitrumはオプティミスティック・ロールアップで、イーサリアムと全く同じ感覚でトランザクションできることを目指していますが、トランザクション費用はレイヤー1の数分の1です。
注意: 不正証明はホワイトリストに登録されたユーザーのみ、ホワイトリストはまだ未公開。

Optimism
Optimismは、高速でシンプルかつセキュアな、EVM相当のオプティミスティック・ロールアップです。イーサリアム技術をスケールリングさせると同時に、遡及的な公共財の資金調達 (Retroactive Public Goods Funding) によりその価値をスケールリングさせます。
注意: 不正証明は開発中

Boba Network
Bobaは、もともとOptimismからフォークされたオプティミスティック・ロールアップで、ガス代の削減、トランザクション・スループットの向上、スマートコントラクトの機能拡張を目的とするスケーリング・ソリューションです。
注意: 検証開発中
アプリケーション特化型レイヤー2
アプリケーション特化型レイヤー2は、特定のアプリケーション空間に対して最適化することに特化したプロジェクトで、パフォーマンス向上をもたらします。

Loopring
Loopringのゼロ知識レイヤー2ソリューションは、イーサリアムのメインネットと同等のセキュリティ保証と、スループットが1000倍、コストがレイヤー1の0.1%という大幅なスケーラビリティの向上を目指しています。

zkSync
zkSyncは、Matter Labsが提供するユーザー中心のゼロ知識ロールアップ・プラットフォームです。イーサリアムのスケーリング・ソリューションであり、イーサリアムメインネットですでに稼働しています。支払い、トークンのスワップ、NFTのミンティングをサポートしています。

ZKSpace
ZKSpaceプラットフォームは、ゼロ知識ロールアップ(ZK-Rollup)の技術を活用したレイヤー2 AMM 分散型取引所(DEX)「ZKSwap」、決済サービス「ZKSquare」、NFTマーケットプレイス「ZKSea」の3本柱で構成されています。

Aztec
Aztecネットワークは、イーサリム初のプライベート・ゼロ知識ロールアップで、分散型アプリケーションのプライバシーとスケールリングへのアクセスを可能にします。
サイドチェーン、バリディウム、代替ブロックチェーンに関する注意点
サイドチェーンとバリディウムは、イーサリアムの資産をブリッジして別のブロックチェーン上で使用できるようにするブロックチェーンです。サイドチェーンとバリディウムはイーサリアムと並行して動作し、ブリッジを通じてイーサリアムと相互通信しますが、セキュリティやデータの可用性をイーサリアムから得ているわけではありま せん。
どちらもレイヤー2と同様の規模で、トランザクションフィーが安く、トランザクション・スループットが高いですが、信頼の前提が異なります。
レイヤー1のブロックチェーン の中には、イーサリアムよりもスループットが高く、トランザクションフィーが安いものがあります。これらの代替レイヤー1は、1秒あたりのトランザクション量を増やし、トランザクションフィーを下げるために、 セキュリティや分散化を犠牲にしなければなりませんでした。
イーサリアムのエコシステムは、レイヤー2スケーリングが、分散型かつ安全性を保ちながら、スケーラビリティのトリレンマを解決する唯一の方法という考えに沿っています。
レイヤー2への資金移動
資産をレイヤー2に移動するには、主に2つの方法があります。スマートコントラクトを介してイーサリアムから資金をブリッジする、または取引所で資金を直接レイヤー2ネットワークに引き出すことができます。