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マージ

  • イーサリアムメインネットは現在プルーフ・オブ・ステークを使用していますが、これまではそうではありませんでした。
  • 旧プルーフ・オブ・ワークのメカニズムからプルーフ・オブ・ステークへのアップグレードはマージと呼ばれます。
  • マージとは、元のイーサリアムメインネットが、ビーコンチェーンとよばれる別のプルーフ・オブ・ステークのブロックチェーンと統合(マージ)し、1つのチェーンになったことを意味します。
  • マージによりイーサリアムのエネルギー消費が最大99.95%削減されました。

ページの最終更新日: 2026年2月25日

マージとは

マージとは、イーサリアムの元の実行レイヤー( ジェネシスから存在するメインネット)と、その新しいプルーフ・オブ・ステークのコンセンサスレイヤーであるビーコンチェーンの統合でした。 これにより、エネルギー集約的なマイニングが不要になり、代わりにステーキングされたETHを利用して、ネットワークのセキュリティが確保されるようになりました。 イーサリアムのビジョンである、より高性能なスケーラビリティ、より安心なセキュリティ、より高いレベルの持続可能性を実現するための、本当にエキサイティングなステップとなりました。

当初、ビーコンチェーンとは別にリリースされました。 イーサリアムメインネットは、すべてのアカウント、残高、スマートコントラクト、ブロックチェーンの状態を含み、プルーフ・オブ・ステークを使用するビーコンチェーンが並行して稼働している間も、プルーフ・オブ・ワークによって安全性が確保され続けました。 マージでは、これらの2つのシステムが最終的に統合され、プルーフ・オブ・ワークが永久にプルーフ・オブ・ステークに置き換わりました。

イーサリアムが、恒星間航行への準備が不十分で打ち上げられた宇宙船だと想像してみてください。 ビーコンチェーンによって、新型のエンジンと強化された船体が構築されました。 大規模なテストが行われた後、旧式のエンジンと新型のエンジンを飛行中に入れ替える時期となりました。 より効率的な新型のエンジンを既存の宇宙船にマージしたことにより、何光年もの長い宇宙への旅ができるようになったのです。

メインネットとのマージ

イーサリアムメインネットは、その誕生からマージまで、プルーフ・オブ・ワークにより保護されてきました。 これにより、トランザクション、スマートコントラクト、アカウントなど、おなじみの機能をすべて備えた、私たちが慣れ親しんでいるイーサリアムブロックチェーンが2015年7月に誕生しました。

イーサリアムの歴史を通して、デベロッパーはプルーフ・オブ・ワークからプルーフ・オブ・ステークへの最終的な移行の準備を行ってきました。 2020年12月1日、メインネットとは別のブロックチェーンとして、ビーコンチェーンが誕生し、メインネットと並行して稼働しました。

ビーコンチェーンは、もともとはメインネットのトランザクションの処理はせず、 代わりに、アクティブなバリデータとそのアカウント残高に合意することで、独自の状態でコンセンサスに達していました。 膨大なテストを経て、ビーコンチェーンは実世界のデータでのコンセンサスに用いる時が来ました。 マージ後は、ビーコンチェーンが実行レイヤーのトランザクションやアカウント残高を含む全てのネットワークデータのコンセンサスエンジンになりました。

マージは、ブロック生成のエンジンとしてビーコンチェーンを使用するという公式な変更になり、 マイニングは有効なブロックを生成する手段ではなくなりました。 代わりに、プルーフ・オブ・ステークのバリデータが、すべてのトランザクションの有効性とブロック生成の処理を担当することになりました。

マージにより、履歴は失われていません。 メインネットがビーコンチェーンにマージされ、イーサリアムのすべてのトランザクション履歴もマージされました。

ユーザーと保有者

マージによって、保有者やユーザーに何かが変わることはありませんでした。

繰り返しになりますが: ETHやイーサリアム上の他のデジタル資産のユーザーや保有者、またノードを運用していないステイカーは、**マージに伴い、資金やウォレットに何かをする必要はありません。**ETHはETHのままです。 マージ後も、「古いETH」/「新しいETH」や「ETH1」/「ETH2」のようなものはなく、ウォレットは以前とまったく同じように動作します。そうでないと言う人は詐欺師の可能性があります。

プルーフ・オブ・ワークを停止し、プルーフ・オブ・ステークに移行した後も、イーサリアムの誕生以降の全トランザクション履歴はそのままで、変更されていません。 マージ以前にウォレットに保有されていた資金は、マージ後も引き続きご利用いただけます。 ユーザー側でアップグレードするための操作は必要ありません。

イーサリアムのセキュリティについての詳細

ノードオペレーターとdapp開発者

主なアクション項目は次のとおりです:

  1. コンセンサスクライアントと実行クライアントの両方を実行します。実行データを取得するためのサードパーティーエンドポイントは、マージ以降は利用できなくなっています。
  2. 実行クライアントとコンセンサスクライアントが安全に通信できるように、共有のJWTシークレットで認証します。
  3. 獲得したトランザクションフィーのチップまたはMEVを受け取るための「フィーの受取人」のアドレスを設定します。

上記の最初の2つの項目が完了していないと、両方のレイヤーが同期および認証されるまで、ノードが「オフライン」として表示されてしまいます。

「フィーの受取人」を設定しなくても、バリデータは通常どおり動作しますが、バリデータが提案したブロックの未焼却のフィーのチップや獲得できたはずのMEVを逃すことになります。

マージまでは、ネットワークから送信されるブロックを受信し、適切に検証し、伝搬するには、実行クライアント(Geth、Erigon、Besu、Nethermindなど)だけで十分でした。 マージ後は、実行ペイロードに含まれるトランザクションの有効性は、それ自体の「コンセンサスブロック」の有効性にも依存します。

そのため、マージ後のイーサリアム・フルノードでは、今は実行レイヤクライアントとコンセンサスレイヤクライアントの両方が必要になります。 これらの2つのクライアントは、新しいエンジンAPIを使用して連携します。 エンジンAPIでは、JWTシークレットを使用した認証が必要で、JWTシークレットは両方のクライアントに提供され、安全な通信が行われます。

主なアクション項目は次のとおりです:

  • 実行クライアントに加えてコンセンサスクライアントをインストールする
  • 実行クライアントとコンセンサスクライアントが安全に通信できるように、共有のJWTシークレットで両者を認証します。

上記の項目が完了していないと、両方のレイヤーの同期と認証が完了するまで、ノードが「オフライン」のように表示されます。

マージにはコンセンサスに関連する変更も含まれており、下記に関連する変更も含まれています。

  • ブロック構造
  • スロットとブロックのタイミング
  • オペコードの変更
  • オンチェーンランダムネスの情報源
  • セーフヘッド確定したブロックのコンセプト

詳細については、Tim Beikoによるブログ投稿マージがイーサリアムのアプリケーションレイヤーに与える影響をご覧ください。

マージとエネルギー消費

マージにより、イーサリアムのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)の時代が終わり、より持続可能で環境に優しいイーサリアムの時代が始まりました。 イーサリアムのエネルギー消費量は推定で99.95%減少し、環境に優しいブロックチェーンとなりました。 イーサリアムのエネルギー消費について詳しく学ぶ。

マージとスケーリング

また、マージは、プルーフ・オブ・ワークでは不可能だったさらなるスケーラビリティのアップグレードへの道を開き、イーサリアムがロードマップで目指している完全な規模、セキュリティ、持続可能性の実現に一歩近づきました。

マージに関する誤解

イーサリアムのノードには、ブロックを提案できるノードとできないノードがあります。

ブロックを提案するノードは、イーサリアムの全ノードのうち、ごくわずかに過ぎません。 このカテゴリには、プルーフ・オブ・ワーク(PoW) のマイニングノードとプルーフ・オブ・ステーク(PoS) のバリデータノードがあります。 このカテゴリでは、時折次のブロックを提案し、プロトコル報酬を得る能力と引き換えに、経済的リソース(プルーフ・オブ・ワークではGPUハッシュパワー、プルーフ・オブ・ステークではETHのステーキング)を必要とします。

ネットワーク上の他のノード(すなわち、大多数)は、1~2 TBの利用可能なストレージとインターネット接続を備えた一般消費者向けのコンピュータ以上の経済的リソースをコミットする必要はありません。 これらのノードはブロックを提案しませんが、新しいブロックをリスニングし、ブロックの出現時にネットワークのコンセンサスルールに従って有効性を検証し、すべてのブロック提案者に責任を持たせます。このようにネットワークを保護する重要な役割を担っています。 ブロックが有効と判断されれば、ノードはそのブロックをネットワークを通じて伝搬し続けます。 何らかの理由でブロックが無効と判断された場合、ノードソフトウェアはそのブロックを無効とみなし、伝搬を停止させます。

両方の合意メカニズム(プルーフ・オブ・ワークまたはプルーフ・オブ・ステーク)のもとで、誰でもブロックを生成しないノードを実行できます。可能な限り多くのユーザーにノードの実行を推奨します。 ノードの運用はイーサリアムに非常に大きな貢献となり、セキュリティやプライバシー、検閲耐性を向上させるなど、ノードを運用するすべての人もその恩恵を受けることになります。

また、誰もが自分自身のノードを運用できることは、イーサリアムネットワークの分散化を維持するために不可欠です。

自分自身のノードの運用に関する詳細

ガス代は、ネットワーク容量に対するネットワーク需要の産物です。 マージにより、コンセンサスにプルーフ・オブ・ワークからプルーフ・オブ・ステークに移行しましたが、ネットワーク容量やスループットに直接影響するパラメーターは大幅に変更されませんでした。

ロールアップ中心のロードマップにより、レイヤー2でのユーザーアクティビティのスケーリングに焦点を当て、一方でレイヤー1メインネットを安全な分散型決済レイヤーとして、ロールアップデータストレージに最適化し、ロールアップトランザクションを飛躍的に安価にすることを可能にしています。 プルーフ・オブ・ステークへの移行は、これを実現するための重要な布石となります。 ガスと手数料の詳細

トランザクションの「速度」は、ブロックに含まれるまでの時間やファイナライズまでの時間など、いくつかの方法で測定できます。 いずれも若干の違いはありますが、ユーザーが気づくようなものではありません。

従来、プルーフ・オブ・ワークでの目標は約13.3秒ごとに新しいブロックを生成することでした。 プルーフ・オブ・ステークの下では、スロットが12秒ごとに正確に発生し、そのたびにバリデータがブロックを公開する機会があります。 ほとんどのスロットにはブロックがありますが、必ずしもすべてにあるわけではありません(例: バリデータがオフラインの場合)。 プルーフ・オブ・ステークでは、プルーフ・オブ・ワークに比べてブロックの生成頻度が10%程度高くなっています。 これはかなり些細な変更のため、ユーザーが気付くほどではありません。

プルーフ・オブ・ステークにより、以前は存在しなかったトランザクションのファイナリティのコンセプトが導入されました。 プルーフ・オブ・ワークでは、トランザクションが含まれるブロックの改ざんは、新たなブロックがマイニングされるたびに、指数関数的に難しくなっていきますが、可能性が完全にゼロになることはありません。 プルーフ・オブ・ステークでは、ブロックはエポック(6.4分間、この間に32ブロックが生成可能)に束ねられ、バリデータが投票します。 1つのエポックの終了時に、バリデータはそのエポックを「正当」とみなすかどうか投票します。 バリデータがエポックの正当性に同意した場合、次のエポックで確定されます。 ファイナライズされたトランザクションの取り消しは、ステーキングされた全ETHの3分の1以上を取得してバーン(焼却)する必要があるため、経済的に実行不可能です。

マージ後の初期段階では、ステーカーはブロック提案の結果として獲得したフィーチップとMEVのみにアクセスできました。 これらの報酬は、バリデータが管理する非ステーキングアカウント (フィーの受取人と呼ばれる) に入金され、すぐに利用できます。 これらの報酬は、バリデータの職務を遂行するためのプロトコル報酬と別です。

上海/カペラネットワークのアップグレード以降、 ステーカーは引き出しアドレスを指定して、超過しているステーキング残高(32ETHを越えた分のプロトコル報酬)の自動支払を受け取れるようになりました。 このアップグレードにより、バリデータがネットワークから抜け出すときに、ロックを解除して残高全体を回収できるようになりました。

ステーキング出金について詳しく

上海/カペラ・アップグレードで出金が可能になったため、バリデータは32 ETHを超えるステーキング残高を出金するインセンティブが働きます。これらの資金は利回りを生まないうえ、ロックされているためです。 年換算利回り(ステークしたETHの合計により決定)によっては、バリデータをやめて残高を引き出すか、報酬を使ってさらにステーキングして、より多くの利回りを得ることもできます。

ステーキングの重要な注意点として、全バリデータの退出はプロトコルによってレート制限が設定されており、エポックごとに(6.4分ごとに)退出できるバリデータの数は限られています。 この制限はアクティブなバリデータの数に応じて変動しますが、1日の間にネットワークから退出できるのは、ステークされたETHの合計の約0.33%になります。

これにより、ステークされた資金の大量流出を防ぎます。 さらに、プロトコルがスラッシングペナルティを執行する前に、ステークされた全てのETHの大部分にアクセスできる攻撃者がスラッシング対象の違反をして、同じエポック内で違反しているバリデータの残高をすべて終了または引き出してしまうことを防ぎます。

また、年換算利回りは意図的にダイナミックに設定されており、ステーカー市場がバリデータの報酬額をバランスよく調整できるようになっています。 レートが低すぎる場合は、ステーカーはプロトコルが制限するレート範囲内で退出していきます。 その結果、残っているステーカーの年換算利回りが徐々に上昇し、新しいステーカーを引き寄せたり、ステーカーが再度戻ってくることになります。

Eth2の名称廃止

「Eth2」という用語は廃止されました。 「Eth1」と「Eth2」が単一チェーンに統合された今では、2つのイーサリアムネットワークを区別する必要はなくなり「イーサリアム」のみとなりました。

混乱をなくすため、次の名称が変更になりました。

  • 「Eth1」は「実行レイヤー」と名称が変わり、これはトランザクションと実行を処理するレイヤーです。
  • 「Eth2」は「コンセンサスレイヤー」となり、プルーフ・オブ・ステークのコンセンサスを処理するレイヤーです。

これらの用語の変更は、単に名称を変更するだけのものであり、イーサリアムの目標やロードマップには影響を及ぼしません。

「Eth2」という名称の変更について詳しく学ぶ (opens in a new tab)

アップグレード間の関係

イーサリアムのアップグレードはすべて、多少なりとも相互に関連しています。 マージと他のアップグレードがどのように関係しているか、まとめてみましょう。

マージとビーコンチェーン

マージにより、元のメインネットの実行レイヤーへ、新しくコンセンサスレイヤーとしてビーコンチェーンが正式に採用されました。 マージ以降、バリデータがイーサリアムメインネットの保護を担うようになり、プルーフ・オブ・ワークによるマイニングは、有効なブロック生成手段ではなくなりました。

ブロックは、コンセンサスに参加する権利を得るために、ETHをステーキングしたノードを検証することで提案されます。 これらのアップグレードは、シャーディングを含む将来のスケーラビリティのアップグレードの準備段階となります。

ビーコンチェーン

マージと上海アップグレード

プルーフ・オブ・ステークへの移行を簡略化し、移行作業に最大限の注力を注ぐため、マージでは、ステーキングしたETHの引き出し機能など、いくつかの予定されたいた機能が対象外となりました。 この機能は別途、上海/カペラアップグレードのアップグレードで有効化されました。

ご興味のある方は、2021年4月のETHGlobalイベントでヴィタリックが発表したマージ後の展開 (opens in a new tab)をご覧ください。

マージとシャーディング

もともとの計画では、マージ前にシャーディングに取り組み、スケーラビリティに対応する予定でした。 しかし、レイヤー2スケーリングソリューションの活況に伴い、まずはプルーフ・オブ・ワークからプルーフ・オブ・ステークへの移行が優先されるようになりました。

シャーディング計画は急速に進展していますが、トランザクションの実行をスケールリングするレイヤー2技術の台頭と成功により、ロールアップコントラクトからの圧縮コールデータ(calldata)の保存を負荷分散する最適な方法を見つけることにシフトしています。これにより、ネットワーク容量を指数関数的に増やすことができるようになります。 プルーフ・オブ・ステークへの移行がなければ、これは実現不可能なことでした。

シャーディング

参考リンク

イーサリアムの知識をテストする

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