メインコンテンツへスキップ

イーサリアムロードマップ

イーサリアムのスケーラビリティ、セキュリティ、サステナビリティを改善する工程

イーサリアムは、すでにグローバルで協調して稼働している強力なプラットフォームですが、さらなる改善が進められています。 大胆な改善案が提案されており、イーサリアムは現在の形から、フルスケールで最大の復元力を備えたプラットフォームへとアップグレードされる予定です。 これらの一連のアップグレードは、イーサリアムのロードマップに記載されています。

イーサリアムの過去のアップグレードについては、履歴のページをご覧ください。

イーサリアムで予定されている変更点は何ですか?

将来のプロトコルの具体的な改善案については、イーサリアムのロードマップに概要が描かれています。 このロードマップは、イーサリアムのユーザーに次のメリットをもたらします。

イーサリアムにロードマップが必要な理由は何ですか?

イーサリアムは定期的にアップグレードされており、その結果、スケーラビリティ、セキュリティ、サステナビリティが向上しています。 イーサリアムの中核的な強みの1つとして、研究開発から生まれた新しいアイデアに適応できることです。 この適応性によって、イーサリアムは新たな課題に取り組んでおり、最先端の技術的ブレークスルーにも対応できる柔軟性を備えています。

ロードマップの決定方法

イーサリアムのロードマップは、研究者と開発者たちが長年かけて築き上げてきたものです。このプロトコルは非常に技術的な内容ではあるものの、やる気があれば誰でも参加することができます。 新しいアイデアは、通常、ethresear.ch(opens in a new tab)イーサリアム・マジシャンズ(opens in a new tab) 、イーサリアム研究開発のDiscordサーバーなどのフォーラムで議論されます。 議論の内容は、新たに見つかった脆弱性への対応、アプリケーションレイヤーで活動する組織(dAppや取引所など)からの提案、エンドユーザーにとっての既知の摩擦(コストやトランザクション速度など)への対応だったりします。 新しいアイデアが成熟すると、イーサリアム改善提案(opens in a new tab)として提案できます。 このアイデアの創出は、誰でも参加できるオープンなプロセスです。コミュニティのメンバーであれば、いつでも議論に参加できます。

イーサリアムにおけるガバナンスの詳細

Ethereum Wallet

ETH2とは何ですか?

「Eth2」という用語は、プルーフ・オブ・ステークへ移行する前、イーサリアムの今後を説明するために広く使用されていましたが、より正確な用語の方が好ましいということで段階的に廃止されました。元々は、プルーフ・オブ・ステークへの移行前のネットワークと移行後のネットワークを区別するために使われていました。また、異なるイーサリアムクライアントを指す場合もありました。具体的には、実行クライアントをETH1クライアント、コンセンサスクライアントをETH2クライアントと呼んでいました。

イーサリアムのロードマップは時間とともに変化しますか?

はい、ほぼ間違いなく変化します。 ロードマップは、現在のイーサリアムをアップグレードするための計画です。短期的および将来にわたる長期的な計画の両方をカバーしています。 新しい情報技術が使えるようになると、ロードマップも変更される可能性があります。

イーサリアムのロードマップは、イーサリアムを改善するための目的の集合と考えてください。 いわば、コアの研究者と開発者が考えた、イーサリアムが目指すべき最適なパスの仮説です。

ロードマップに終わりはありますか?

イーサリアムでは、今後6か月の間に、ステーキングの引き出しなどのアップグレードを実装します 。一方、耐量子暗号などのアップグレードは優先度が低く、今後5〜10年間は実装されないかもしれません。 イーサリアムは、多数のロードマップアイテムを同時に進めており、それぞれ異なる速度で開発されています。そのため、各アップグレードの正確なタイミングを予測するのは難しくなっています。 アップグレードの緊急性は、時間の経過とともに外部要因によって変化する可能性があります。例えば、量子コンピューターの性能と普及が急速に進むにつれて、耐量子暗号の緊急性がますます高まっていくかもしれません。

イーサリアムの発展を考えるには、生物学的進化を参考にするのも1つの方法です。 新しい課題に適応し、適応度を維持できるネットワークは、より成功する可能性が高くなります。そのため、ネットワークのパフォーマンスが上がるにつれて、スケーラブルで安全なプロトコルが必要になります。またプロトコルの変更を最小限に抑え、変化に対して耐性を持つことも重要です。

アップグレードをするには、何が必要ですか?

アップグレードは、基本的にエンドユーザーに影響しません。しかし、より良いユーザーエクスペリエンス、より安全なプロトコル、イーサリアムとのやり取りにおいてより多くの選択肢などを提供することについては、影響が考えられます。 エンドユーザーは、アップグレードについて何もする必要はありません。資産を保護するためにも、特別なことをする必要はありません。 ただし、ノードオペレーターは、アップグレードの準備のためにクライアントを更新する必要があります。 一部のアップグレードは、アプリケーションデベロッパーにとって変更となる可能性があります。 例えば、履歴の有効期限におけるアップグレードでは、アプリケーションデベロッパーは、新しい情報源から履歴データを取得することになります。

バージやスプラージなどは何を指していますか?

ヴィタリック・ブテリンは、イーサリアムのロードマップの構想を提案しました(opens in a new tab)が、その内容は、イーサリアムのアーキテクチャへの影響別に、個別のカテゴリに分類されていました。 提案内容は、以下のとおりです。

  • マージ: プルーフ・オブ・ワークからプルーフ・オブ・ステークへの移行に関連するアップグレード
  • サージ: ロールアップとデータシャーディングによるスケーラビリティ向上に関連するアップグレード
  • スカージ: MEVからの検閲耐性、分散化、プロトコルのリスクに関連するアップグレード
  • バージ: ブロックの検証をより簡単にするアップグレード
  • パージ: ノード実行における計算コストの削減とプロトコルの簡素化に関連するアップグレード
  • スプラージ: これまでのカテゴリに分類できないその他のアップグレード

よりシンプルでよりユーザーに寄り添ったモデルを目指すため、この用語は使用しないことにしました。 ヴィタリックが提案した構想はそのままですが、用語をよりユーザーにわかりやすいものに変更します。

シャーディングとは何ですか?

シャーディングでは、イーサリアムのブロックチェーンを分割する技術です。バリデータのサブセットは、それぞれのチェーンでデータを検証する役割を担います。 これは、もともとイーサリアムをスケーリングする方法として開発されました。 しかし、レイヤー2ロールアップの開発が予想以上に進み、すでにさまざまなスケーリング機能を提供できるようになりました。また、プロトダンクシャーディングの実装後には、さらに多くの機能を提供する予定となっているため、 「シャードチェーン」は不要になり、ロードマップから削除されました。

特定の技術アップグレードについての情報

  • ダンクシャーディング - ダンクシャーディングは、イーサリアムのブロックに「ブロブ」と呼ばれるデータを追加することで、ユーザーのレイヤー2ロールアップ使用料を大幅に削減します。
  • ステーキングの引き出し - 上海/カペラのアップグレードにより、イーサリアム上のステーキングしたETHを引き出せるようになりました。また、ステーキングしたETHのロックを解除できるようになりました。
  • シングルスロット・ファイナリティ - 15分待たずに、同一のスロット内でブロックが提案され、ファイナライズが可能になります。 これにより、アプリにとっては利便性が向上し、攻撃がはるかに困難になります。
  • プロポーザー/ビルダーセパレーション - ブロックを構築するタスクとブロックを提案するタスクを別々のバリデータに分割することで、イーサリアムにおけるコンセンサス合意プロセスを、より効率的で公平にし、検閲耐性のあるものにします。
  • シークレットリーダー選出 - 高度な暗号化を使い、現在のブロック提案者のアイデンティティが公開されないようにします。これにより、特定の攻撃タイプから保護できます。
  • アカウント抽象化 - アカウント抽象化はイーサリアムのアップグレードの一種です。複雑なミドルウェアを使用することなく、イーサリアム上でスマートコントラクトウォレットをネイティブにサポートします。
  • バークルツリー - バークルツリーは、イーサリアム上でステートレスクライアントを可能にするために使用されるデータ構造です。 「ステートレス」クライアントは、ストレージ容量をあまり必要とせず、新しいブロックの検証が可能です。
  • ステートレス - ステートレスクライアントは、大量のデータを保存しなくても新しいブロックを検証できます。 これにより、現在必要とされているコストが大幅に下がりますが、ノードを実行するメリットはそのまま得られます。

このページは役に立ちましたか?