イーサリアムのビジョン
地球規模でのデジタルの未来

アップグレードの必要性
2015年にローンチしたイーサリアムプロトコルは、信じられないほどの成功を収めました。しかし、イーサリアムコミュニティは、イーサリアムのポテンシャルを完全に解き放つためには、まだ重要なアップグレードが必要であると常に想定していました。
需要の高さが取引手数料の高騰を招き、イーサリアムは平均的なユーザーにとって高価なものになっています。イーサリアムクライアントを実行するために必要なディスク容量は、急速に増加しています。そして、イーサリアムの安全性と分散化を維持するための基礎となるプルーフ・オブ・ワーク・コンセンサスアルゴリズムは、環境に大きな影響を与えています。
イーサリアムは、一連のアップグレード通して、これらの問題などに対処する予定です。これらのアップグレードは、もともと「セレニティ」および「Eth2」と呼ばれていたもので、2014年以降、研究開発が盛んに行われてきました。
- View a 2022 blog post: The Hitchhikers Guide to Ethereum
- イーサリアムのプロトコルアップデートに関する2021年のブログ記事を見る
- イーサリアムのロードマップの進化に関する2021年のブログ記事を見る
- 2015年のブログ記事「セレニティ」の論議を見る
- 2014年のプルーフ・オブ・ステークの詳細に関するブログ記事を見る
テクノロジーの準備が整った今、これらのアップグレードにより、イーサリアムはよりスケーラブルで、安全で、持続可能なものにするために再構築されます。 イーサリアムのコアバリューである分散化を維持しつつ、既存のユーザーエクスペリエンスを高め、新しいユーザーの興味を誘います。
スケーラビリティを一瞬にして向上できるスイッチがあるのではなく、時間をかけて段階的に改善が実装されます。
現在の課題
ネットワーク混雑
イーサリアムは、ネットワークの混雑を減らし、スピードを上げてグローバルなユーザーベースのサービスを改善する必要があります。
ディスク容量
ネットワークが拡大するにつれて、ノードの実行は難しくなります。ネットワークのスケーリングを行うほど、これは困難になります。
過剰な消費エネルギー
イーサリアムの消費電力量は高く、ネットワークを安全に保つテクノロジーをより持続可能なものにする必要があります。
分散型スケーリングの課題
イーサリアムの問題を解決するための単純な方法は、中央集権化することですが、分散化はイーサリアムには欠かすことができないほど肝心です。イーサリアムの検閲耐性、オープン性、データプライバシー、侵害されないセキュリティを実現しているのは、分散化です。
イーサリアムのビジョンは、よりスケーラブルで安全であることだけでなく、分散化を維持することです。この3つの特性を達成することは、スケーラビリティの3つのジレンマ(トリレンマ)として知られています。
イーサリアムのアップグレードはトリレンマを解決することを目指していますが、大きな課題があります。
分散型スケーリングの課題をより深く理解するには、以下の円をタップしてください:
スケーラビリティ・トリレンマの探索
分散型スケーリングの問題をより深く理解するには、三角形のボタンを押してください。
スケーラビリティ・トリレンマの探索
分散型スケーリングの問題をより深く理解するには、三角形のボタンを押してください。
イーサリアムのビジョンの理解
スケーラビリティ 
イーサリアムは、ネットワークのノードのサイズを大きくすることなく、1秒間あたりに処理できるトランザクション量を増量させる必要があります。ノードとは、ブロックチェーンを保存し、実行する重要なネットワーク参加者のことです。ノードのサイズを上げると、高性能で高価なコンピューターが必要になるため現実的ではありません。スケールアップするには、イーサリアムは1秒あたりのトランザクション処理量を増やし、より多くのノードが必要になります。ノードの数が増えるほど、セキュリティは強化されます。
シャードチェーンのアップグレードにより、ネットワークの負荷が64の新しいチェーンへ分散されます。これにより、ネットワーク混雑が緩和され、現在の1秒あたり15~45トランザクションの制限以上に速度が向上します。
また、チェーンの数は増えても、ネットワークを維持するバリデータの負担は少なくて済みます。バリデータは自分のシャードを「実行」するだけで、イーサリアムチェーン全体を実行する必要はないためです。これにより、ノードがより軽量化され、イーサリアムが拡張しても分散性を維持することが可能になります。 シャードチェーンの詳細
セキュリティ 
計画されたアップグレードは、51%攻撃のような連携攻撃に対するイーサリアムのセキュリティを向上します。51%攻撃は、誰かがネットワークの過半数を支配している場合、不正な変更を強制的に行うことができる攻撃の一種です。
プルーフ・オブ・ステークへ移行すると、ネットワークを保護するバリデータはイーサリアムプロトコルに多額のETHをステークする必要があるため、プロトコルを攻撃しようとする意欲をそぐものになります。仮にバリデータがネットワークを攻撃しようとすると、プロトコルは自動的にバリデータのETH保有量を破壊します。 プルーフ・オブ・ステークの詳細
これはプルーフ・オブ・ワークでは不可能であり、プロトコルができるのは、ネットワークを保護するマイナーのマイニング報酬を強制的に失わせることだけです。プルーフ・オブ・ワークで同等の効果を得るためには、マイナーが不正行為をしようとした場合に、プロトコルはマイナーの機器をすべて破壊できなければなりません。 プルーフ・オブ・ワークの詳細
イーサリアムのセキュリティモデルも、シャードチェーンの導入により変更する必要があります。ビーコンチェーンでは、バリデータを異なるシャードにランダムに割り当てます。このため、バリデータが特定のシャードを結託して攻撃することは事実上不可能です。シャーディングは、プルーフ・オブ・ワークのブロックチェーンでは、マイナーをこのようにプロトコルで制御することができないため、安全性はそれほど高くありません。
ステーキングは、イーサリアムノードを「実行」するために高性能なハードウェアに投資する必要がないことも意味します。 これにより、より多くの人々がバリデータになることを促進し、ネットワークの分散性を向上させ、攻撃面積の減少につながります。
ETHをステーキングすることでバリデータになることができます。 ノードの詳細
ETHのステーキングサステナビリティ 
より環境に優しいイーサリアム。
イーサリアムやビットコインのような他のブロックチェーンがマイニングのために大量のエネルギーを消費していることは周知の事実かと思います。 マイニングの詳細
しかし、イーサリアムは現在コンピューティングパワーではなく、ETHのステーキングを介して保護する方向に向かっています。 ステーキングの詳細
すでにビーコンチェーンによってステーキングは導入されていますが、現在使っているイーサリアムは一定期間、新しいシステムと並行して稼働することになります。一方はETHにより保護されたシステム、もう一方はコンピューティングパワーで守られたシステムです。これはマージが完了するまでの話です。
ビーコンチェーンの稼働により、メインネットと新しいコンセンサスレイヤーを統合する作業が始まりました。メインネットは、ステークされたETHによって保護され、はるかに省エネルギーなものになります。
マージの詳細アップグレードの探索

ビーコンチェーン
ビーコンチェーンは、イーサリアムにステーキングをもたらし、将来のアップグレードへの基礎を築きました。最終的にはビーコンチェーンが新しいシステムを調整することになります。
ビーコンチェーンの稼働

マージ
イーサリアムのメインネットは、どこかの時点でビーコンチェーンと「マージ (統合) 」される必要があります。これにより、ネットワーク全体でのステーキングが有効となり、エネルギーを大量消費するマイニングは終了することになります。
予定: 2022年

シャードチェーン
シャードチェーンは、トランザクション処理やデータ保存のイーサリアム能力を拡大します。シャード自体は、複数のフェーズに分けてロールアウトされ、時間の経過とともに機能が高まることになります。